今回は、アノードとカソードについてまとめてみようと思います。
さっそくいってみましょう。
アノードとカソードとは?
コンクリート中の塩化物イオンにより、鋼材表面の不動態皮膜が破壊され、鋼材表面から鉄イオン細孔溶液中に溶出する反応をアノード反応といいます。
同時に、鋼材から供給された電子と水および酸素との反応をカソード反応といいます。
塩害による鋼材腐食は、アノード(陽極)からカソード(陰極)に電子が移動することによって、アノード部分で腐食が始まります。
腐食電流は、カソード(健全部)からアノード(腐食部)に流れます。
腐食電池とは?
電子がアノード(腐食部)からカソード(健全部)へ移動すること、つまり電流がカソード(健全部)からアノード(腐食部)へ流れることを、腐食電流と呼び、電流の流れだす極(カソード)と流れ込む(アノード)を対とする電池が形成されます。これを腐食電池(セル)といいます。
なお、陽極(アノード)と正極(プラス極)、陰極(カソード)と負極(マイナス極)は違う意味になるので注意が必要です。電子が出ている極は負極(マイナス極)であり、かつ陽極(アノード)となります。
化学的に酸化反応が行われる電極を陽極、還元反応が行われる電極を陰極といいます。
問題
それでは、最後に次の問題を解いてみましょう。
次に示す化学反応式のうち、コンクリート中の鉄筋が腐食する際のアノード反応を示しているのはどれでしょうか。
1 Fe → Fe²⁺2e⁻
2 Fe₊2Cl⁻ → FeCl₂₊2e⁻
3 O₂/2₊H₂O₊2e⁻ → 2OH⁻
4 2OH⁺₊2e⁻ → H₂
答えは下にスクロールしてください。

正解は 1の「 Fe → Fe²⁺2e⁻ 」になります。
ちなみに、3の「 O₂/2₊H₂O₊2e⁻ → 2OH⁻ 」はカソード反応を表しています。
短くなりましたが、今回は以上になります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。