コンクリート診断士

【コンクリート診断士】凍害の補修・補強工法まとめ

こんにちは!

今回は凍害の補修・補強工法についてまとめてみます。

最後に問題もあるので、良ければ解いてみてください。

それではいってみましょう!

凍害の劣化過程と変状

まず、凍害により劣化した構造物の状態と、外観上のグレードについては次の通りです。

潜伏期:凍結融解作用を受けるが、性能低下がなく初期の健全性を保持している段階。

進展期:凍害深さが小さく剛性にはほとんど変化はなく鋼材腐食もないが、美観に影響を及ぼす段階。

加速期:凍害深さが大きくなり、はく落等の第三者への影響が起こり鋼材腐食が発生する段階。

劣化期:凍害深さが鋼材位置以上になり、腐食が著しくなり、使用性や安全性へ影響を及ぼす段階。

潜伏期から進展期にかけて、スケーリングポップアウトひびわれが発生します。

加速期から劣化期において、上記に加えて鋼材断面積の減少浮き、剝離によるコンクリート断面の減少などが生じます。

凍害深さは、スケーリング深さや微細ひびわれによる劣化深さを測定して総合的に判断します。

微細ひびわれによる劣化深さはコア採取を行い、深さ別の超音波伝播速度や細孔径分布などから判断します。

凍害の補修・補強工法

続いて、凍害の各劣化段階において適用できる補修・補強工法については次の通りです

潜伏期:凍害深さが小さく、劣化因子遮断が主な対策となる。表面被覆工法、表面含浸処理工法が有効。

進展期:凍害深さが大きくなり、鉄筋が腐食開始する段階。表面からの水分浸入対策が重要。表面被覆工法、ひびわれ補修工法が有効。スケーリング、ポップアウトに対しては断面修復を併用する。

加速期:スケーリング、ポップアウト+鉄筋腐食によるひびわれ、浮きが発生する段階。脆弱化したコンクリートを除去し、断面修復工法を行う。

劣化期:鉄筋腐食による断面減少→部材の耐荷力が低下する段階。劣化部の断面修復+補強を行う。

問題

それでは、最後に次の問題を解いてみましょう。

次の記述が適当か、不適当か選択してください。

「凍害を抑制するには、防水性に優れ、かつ低温期に柔軟性が保持される材料を塗布するのがよい」

答えは下にスクロールしてください。

 

 

正解は、適当です。

凍害の抑制には防水性と低温時の柔軟性を有する塗布材が有効です。

それでは、今回は以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。