こんにちは！
今回は化学的腐食の補修・補強工法についてまとめてみます。
最後に問題もあるので、良ければ解いてみてください。
それではいってみましょう！
化学的腐食の劣化過程と変状
まず、化学的腐食により劣化した構造物の状態と、外観上のグレードについては次の通りです。
状態Ⅰ-1（潜伏期）：外観上の変状が見られない。
状態Ⅰ-2（潜伏期）：コンクリート保護層に変状が見られるまでの期間。
状態Ⅱ（進展期）：コンクリート保護層が劣化してコンクリートに変状が見られ、その変状が鋼材に達するまでの期間。
状態Ⅲ-1（加速期前期）：コンクリートの変状が著しく、鋼材にも変状が見られる。
状態Ⅲ-2（加速期後期）：コンクリートの断面欠損が大きく、鋼材の腐食量も大きい。
状態Ⅳ（劣化期）：コンクリートの断面欠損、鋼材の断面減少も著しく、耐荷力の低下が顕著となる期間。
進展期から美観の低下（コンクリートの変質、ひびわれ）や第三者への影響（剝離・剝落）が生じます。
加速期から、上記に加えて鋼材の露出やさび汁が生じます。
侵食深さと経年との関係から、√t則を用いて浸食速度を推定することができます。
コンクリートと接触する溶液に流れがある場合の浸食速度は、√t則の予測値よりも大きくなります。
化学的腐食の補修・補強工法
次に、化学的腐食の各劣化段階において適用できる補修・補強工法については次の通りです。
潜伏期：ひびわれは発生しておらず、劣化の進行抑制を目的に劣化因子の遮断に対する予防的対策をとる。表面被覆工法が有効。
進展期：この段階では腐食深さが数mmとなり、徐々に断面が喪失している。劣化因子の遮断や表層に浸入した劣化要因の除去に対する対策をとる。表面被覆工法や断面修復工法が有効。
加速期：粗骨材はく落までの段階で、鉄筋腐食の進行が見られる。進展期と同様の対策をとる。表面被覆工法で再劣化を抑制する。
劣化期：劣化が進行し、鉄筋露出が見られる。進展期と同様の対策をとる。鉄筋の腐食や変形が著しい場合は補強の対象となる。その際、各種補強工法や打換えを行う。
問題
それでは、最後に次の問題を解いてみましょう。
次の記述が、適当か不適当か選択してください。
「食品工場の排水処理槽に発生する化学的腐食に対して、予防保全対策として表面被覆工法を適用した。」
正解は下にスクロールしてください。
正解は適当です。
予防的措置として、表面被覆工法は有効です。
それでは、今回は以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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