コンクリート診断士

【コンクリート診断士】電磁誘導法とは?特徴や電磁波レーダーとの違いについて

こんにちは!

今回は電磁誘導法についてまとめてみます。

最後に問題もあるので、良ければ解いてみてください。

それではいってみましょう!

電磁誘導法とは?

概要

電磁誘導法とは、電磁誘導現象を利用してコンクリート中の鉄筋に関する情報(平面的な位置や深さ、鉄筋径など)を得るコンクリート中の鉄筋探査法の一つです。

コイルに交流電流を流して測定します。測定は径の大きな鉄筋ほど、深い位置までの探査が可能で、かぶり厚さが薄いほど測定精度が高いです。

対象

コンクリート中の鉄筋(位置、かぶり、径)、鉄筋以外の埋設金属が対象です。コンクリート中に空隙やジャンカ等があっても鉄筋位置の推定が可能です。

測定

コイル(プローブ)を鉄筋と直角の方向にコンクリート表面を走査して、鉄筋探査を行います。この時に、鉄筋径か、かぶりが既知であると精度が向上します。

プローブが鉄筋に近づくと、かぶり厚さの表示値が小さくなり、鉄筋真上でブザーが鳴ります。

適用

仕上げ材が非磁性体であれば、仕上げ材の影響を受けずに測定が可能です。空隙やジャンカがあっても可能ですが、ピッチが密なものは困難です。

特徴と電磁波レーダーとの違い

電磁誘導法の主な特徴は次の通りです。

電磁誘導法は、空洞や剝離の探査は不可能

塩ビ管のような非磁性体の探査は不可能

鉄筋径の推定が可能

鉄筋径とかぶり厚さの同時測定が可能

ダブル配筋の場合、表面側の鉄筋しか検出できない

かぶり厚さの測定限度は、150~200mm程度

配筋ピッチが密な場合には正確な測定が困難で、かぶり厚さより配筋が密な場合は測定が困難

コンクリート中の電磁波の伝播速度は、湿潤状態よりも乾燥状態の方が大きい(空気中の伝播速度は、水中の9倍)

上記のことから、電磁波レーダーとの違いをまとめると次のようになります。

・空洞や剝離の探査はできない

・塩ビ管のような非磁性体の探査はできない

・部材厚はわからない

・鉄筋径の推定ができる

問題

それでは、最後に次の問題を解いてみましょう。

次の記述が適当か、不適当か選択してください。

「試験コイルに流した交流電流から発生する磁束の変化によって、コンクリート中の空隙やジャンカ(豆板)を測定することができる」

答えは下にスクロールしてください。

 

 

 

正解は不適当です。

電磁誘導法では、磁束に影響を与える金属や強磁性材料のみを検出します。したがって、空隙やジャンカのような非磁性体の探査は行えません。

 

それでは、今回は以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。