劣化機構のひとつであるASR(アルカリシリカ反応)。
今回は、ASRの概要についてまとめてみようと思います。
最後に、〇×問題を1問載せているので、解いてみてください。
それでは、よろしくお願いします。
ASR(アルカリシリカ反応)とは?
ASRとは、反応性骨材がコンクリート中の高アルカリ性水溶液と反応し、コンクリートに異常な膨張を引き起こしてひび割れを発生させる現象のことです。
- 反応性骨材
- アルカリ量
- 水
この3つの要素が揃ったときにASRが発生します
ASRによる変状の特徴
構造物にASRが生じている場合、外観に変状として表れます。
主に以下のようなものが挙げられます。
ひびわれ
鉄筋による拘束が小さい場合(重力式橋台など)→亀甲状ひびわれ発生
鉄筋による拘束が大きい場合(柱や梁)→軸方向にひびわれ発生
ゲルの滲出
ひび割れに白色のゲルが滲出することがあります
変位・変形
膨張に起因した変位・変形が見られることがあります
反応性骨材
ASRを起こす反応性骨材は、シリカを含む骨材です。
反応性骨材には、主に以下の3種類があります。
- 火山岩が起源の岩石
安山岩、流紋岩、石英安山岩など
- 堆積岩が起源の岩石
チャート、砂岩など
- 変成岩
粘板岩、片岩など
反応性骨材と非反応性骨材の混入により膨張量が大きくなることがあり、膨張量が最も大きくなる場合の骨材に含まれる反応性骨材の割合をペシマム量と言います
反応性骨材の含有量が多いほど膨張量が大きくなるとは限らないことに注意
ASR対策
対策として、以下のことが挙げられます。
・アルカリシリカ反応性に無害と判定された骨材を使用する。
・コンクリート中のアルカリ総量を3.0kg/m3以下に抑える。
・高炉セメントB種、C種、またはフライアッシュセメントB種、C種などの混合セメントを使用する。
問題
では、最後に下記の○×問題を解いてみましょう。
「骨材の岩種が堆積岩であったので、アルカリ骨材反応による劣化の可能性は低いと判断した。」
○か×か。
答えは下にスクロールしてください。

正解は×です。
堆積岩(チャートや砂岩)などでもASRが生じる可能性があります。
今回は以上になります。一緒に勉強がんばりましょう。
ありがとうございました!