今回は、エフロレッセンスの概要と原因についてまとめてみようと思います。
エフロレッセンスとは
エフロレッセンスは、コンクリート中の可用性成分(水酸化カルシウム)がコンクリート表面に溶出し、二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムになる現象のことをいいます。
水酸化カルシウムは高温になるほど水に対する溶解度が小さく、低温になるほど溶解度は大きくなります。
建物壁面などに見られるものは炭酸塩が多く、土壌環境の影響を受ける住宅基礎などには硫酸塩が含まれることもあります。
ちなみに
・カルシウム塩の析出を「エフロレッセンス」、アルカリ塩の析出を「白華」と区別して呼んだりします。
・エフロレッセンス(炭酸カルシウムCaCO₃)と、遊離石灰(酸化カルシウムCaO)は異なります。
エフロレッセンスの特徴
エフロレッセンスは、部材の下面や側面で観察されることが多いです。
また、コールドジョイントなどの初期欠陥やひび割れ近傍に発生しやすいです。
エフロレッセンスそのものが構造物の信頼性を損なうことは少ないですが、中性化や塩害でエフロレッセンスが発生している場合には、鉄筋が腐食しかぶりコンクリートひび割れが発生していることがあります。
エフロレッセンスには、さび汁が混在していることもあります。
防止対策
エフロレッセンスは、コンクリート表面からの水分の蒸発に伴い生じるため、緻密な組織とすることが有効です。加えて、貫通ひび割れやコールドジョイントをつくらない施工計画と施工管理も重要なポイントです。
問題
それでは、最後に下記の○×問題を解いてみましょう。
「水酸化カルシウムは、低温になるほど水に対する溶解度が大きくなる。このため低温環境において、早期の脱型などによりコンクリート中の水分が蒸発すると、より多くのエフロレッセンスが発生しやすくなる」
○か×か。
正解は下にスクロールしてください。

正解は〇です。
今回は以上になります。
ありがとうございました。